愛知県は2026年9月3日、運転免許やパスポートなどの申請手数料に使ってきた愛知県収入証紙を廃止すると発表しました。県民サービスの向上と行政事務の効率化を理由に、公金収納のデジタル化を進めるという内容です。
この発表は、証紙が使えなくなる日を1つ決めたものではありません。販売が終わる日、利用が終わる日、未利用の証紙を現金還付できる期限が、それぞれ別の日に設定されています。
| 区分 | 期限 | 読み方 |
|---|---|---|
| 販売の終了 | 2028年9月30日まで | 買えるのはこの日まで |
| 利用の終了 | 2029年3月31日まで | 販売終了後も6か月は使える |
| 未利用証紙の還付 | 2034年3月31日まで | 使わなかった分を現金で返してもらえる期間 |
いま持っている証紙が2028年9月30日で無効になるわけではありません。ただ、3つの日付のどれが自分に関係するかは、保有枚数や申請の予定によって変わります。
発表を今すぐ確認したほうがよい人
期限は2年以上先ですが、次に当てはまる場合は早めに手元を見ておくと後の判断が楽になります。
- 使う予定のない証紙を保管している人
- 高い金種の証紙をまとめ買いしている人や、申請用に在庫として持っている事業者
- 2028年から2029年ごろに運転免許の更新、パスポートの申請、許認可の手続きを予定している人
いずれも、今日中に何かを申請しなければならないという話ではありません。確認する対象は、証紙の状態と、自分が手続きをする時期です。

販売は2028年9月30日まで
証紙を買えるのは2028年9月30日までです。県の購入場所一覧にも、この日で販売を終了する案内が掲載されています。
販売場所は県事務所のほか、区役所、交通安全協会、自動車学校など、県が指定した売りさばき人にも広がっています。ただしすべての金種をそろえていない売り場や、販売を一時休止している売り場があります。買いに行く前に電話で在庫と営業時間を確かめておくほうが確実です。
販売が終わることと、使えなくなることは別です。この日を過ぎても、手元の証紙はまだ有効です。
利用は2029年3月31日まで
証紙を貼って手数料を納められるのは2029年3月31日までで、販売終了から6か月の余裕があります。
そのため、いま持っている証紙を急いで使い切ったり処分したりする必要はありません。2029年3月31日までの利用が案内されていますが、実際に使う前には申請先の最新の納付方法を確かめます。
一方で、手続きごとに証紙の受付をいつまで続けるかは、県の発表では手続き別に示されていません。申請の直前に、その手続きを案内している県のページや窓口で最新の納付方法を見ておくと確実です。
使わない証紙の還付は2034年3月31日まで
使わなかった証紙を現金で返してもらえる期間は2034年3月31日までです。利用の終了から5年間が確保されています。
ただし、この期限までなら誰でも払い戻せるという意味ではありません。県の交換及び現金還付の案内は、現金還付を原則としてできない扱いとしたうえで、条件に当てはまる場合に限り認めています。
現行の案内で還付できる条件
手数料を納めるために証紙を取得したあと、次のいずれかに当てはまるときに現金還付ができます。
- 関係法令などの改廃により、その証紙を使う見込みがなくなったとき
- 法令などの解釈を取り違えて取得し、その証紙を使う見込みがないとき
- 取得後に、取得した人の側の理由でその証紙を使う見込みがなくなったとき
いずれの場合も、消印されていないこと、汚染またはき損していないことが前提です。
消印済み・汚損・貼付済みの扱い
消印された証紙と、汚染またはき損した証紙は還付できません。証紙は購入したあと自分で印鑑を押さないよう県が注意を促しており、消印は県の受付機関が行います。
貼付済みの証紙については、扱いが少し違います。県の案内は、申請書などに貼ってしまった証紙を無理に剥がさず、そのまま持ってくるよう求めています。貼ったから必ず還付できない、というわけではありません。
還付の受け方として公表されている範囲
現時点で県が案内しているのは、現行制度としての受け方です。廃止に合わせた専用の様式や追加の必要書類は、まだ公表されていません。
- 還付金は口座振替で、請求者本人名義の銀行口座へ振り込まれる
- 請求者と異なる名義の口座には振り込めない
- 安全のため郵送での受付は行っていない
- 受付場所は会計局会計課のほか、東三河総局、各県民事務所、一部の県税事務所・建設事務所
枚数が多いと受付に時間がかかるため、県は事前に受付場所へ連絡するよう案内しています。窓口の住所と電話番号は、上記の県のページにまとまっています。
なお、還付とは別に金種の交換もできます。1,000円の証紙を500円2枚に替えるような場合で、消印や汚染・き損がないことが条件です。手続きの受付場所は還付と同じです。

運転免許・パスポート・許認可で支払方法は同じではない
「証紙をやめてキャッシュレスにする」と聞くと、県のすべての窓口が同じ日に同じ方法へ切り替わるように見えます。実際には、手続きによって現在の支払方法がすでに違います。
| 手続き | いま確認できる支払方法 | 廃止後について公表されていること |
|---|---|---|
| 運転免許など警察手数料 | 2024年4月から、県警本部・警察署・運転免許試験場などの窓口で扱う全警察手数料がキャッシュレス対象。現金で払う場合は証紙を購入する | キャッシュレスを広げる方針の対象。個別の切替日は未公表 |
| パスポートの窓口申請 | 国の収入印紙と愛知県収入証紙の組み合わせ。クレジットカードは使えない | 切替の時期・方法は未公表 |
| パスポートの電子申請 | 2024年8月5日以降、収入印紙・県収入証紙による納付か、クレジットカード納付かを選べる | 切替の時期・方法は未公表 |
| 許認可・免許・試験など | 2025年1月20日から、申請件数の多い一部の県窓口でカード・電子マネー・コード決済に対応。証紙も使える | 対象手数料を拡大予定。窓口ごとの切替日は未公表 |
運転免許など警察手数料
愛知県警察の案内では、2024年4月から警察本部と警察署(中部空港警察署を除く)の申請受付窓口で扱う全警察手数料がキャッシュレス決済の対象です。運転免許試験場、東三河運転免許センター、高速道路交通警察隊、放置駐車対策センターの窓口も含まれます。
ただし、これらの施設の窓口以外で受け付ける申請、たとえば別会場で行う手続きは対象外です。パーキング・メーター作動等手数料や、行政文書の複写代のように手数料に当たらないものも外れます。現金で払う場合は、これまでどおり証紙を買う形になります。
パスポート
パスポートは、申請の方法で扱いが分かれます。
窓口申請の手数料案内では、国の収入印紙と愛知県収入証紙を組み合わせて納めます。2026年7月1日以降に申請する18歳以上の10年旅券なら、合計9,300円のうち収入印紙が7,000円、県収入証紙が2,300円という内訳です。
窓口申請ではクレジットカードを使えません。県は、印紙と証紙をセットで買える売り場が近くにある窓口もあると案内しています。
電子申請では扱いが変わります。県のクレジットカードによる手数料納付の案内によると、2024年8月5日以降に電子申請する場合は、収入印紙・県収入証紙による納付とクレジットカード納付のどちらかを選べます。
ただしカード納付では、コード決済や交通系ICカード、プリペイドカードを使えません。支払いは一括払いのみです。
許認可・免許・試験など
県窓口のキャッシュレス決済は、申請件数の多い受付窓口の一部に端末を置く形で導入されています。火薬類取扱許可、銃砲刀剣類登録、調理師免許、建設業許可、宅地建物取引業免許、教員免許、保健所の食品営業許可など、対象手続きは幅広い分野に及びます。
使える手段はクレジットカード6ブランド、交通系ICを含む電子マネー、コード決済10種類です。ただし1件の手続きで、証紙とキャッシュレスを組み合わせたり、複数のブランドで分けて払ったりすることはできません。
対象の窓口は変更される場合があるため、県は各手続きの案内ページで事前に確認するよう求めています。
証紙に代わる手数料の払い方
県が示している今後の納付方法は、大きく3つです。
- 電子申請:愛知県電子申請・届出システムを使い、自宅などからクレジットカードや二次元コード決済で納付する
- 窓口申請:申請窓口でクレジットカード、二次元コード決済、電子マネーなどにより納付する
- 現金:申請窓口で発行する納付書を使い、コンビニエンスストアや金融機関で納付する
3つ目の納付書による現金納付は、発表資料で「対応する予定」と書かれている段階です。今すぐコンビニで手数料を払えるという案内ではありません。
添付の廃止案内チラシには、電子申請で使える決済サービスとしてPay-easyも図示されています。同じチラシに「手数料の種類により、納付方法が異なります」という注記があるため、どの手数料でPay-easyを選べるかは個別の案内で確かめる必要があります。
収入印紙と県税の証紙は今回の対象ではない
名前が似ているため混同しやすいのですが、今回廃止されるのは愛知県が発行する手数料用の証紙だけです。
国の収入印紙は別の制度で、今回の発表の対象ではありません。パスポートの窓口申請で収入印紙と県収入証紙をセットで買うのは、国と県それぞれに納める分があるからです。県の発表だけを根拠に、収入印紙も廃止されると読むことはできません。
もう1つ、愛知県の証紙には手数料の証紙のほかに県税の証紙があります。会計課のページは、県税の証紙を除く手数料の証紙について案内すると明記しています。狩猟税のように県税側で証紙徴収の案内があるものは、今回の廃止対象と一括りにはできません。
迷ったときに確認する順番
手元に証紙がある場合は、次の順に見ていくと判断しやすくなります。
- その紙が愛知県収入証紙か、国の収入印紙かを確かめる
- 消印、汚れ、破れ、申請書への貼付の有無を確かめる
- 使う予定があるなら、その申請日が2029年3月31日までに収まるかを確かめる
- 申請先の窓口が今どの支払方法に対応しているかを、その手続きの案内ページで確かめる
- 使う予定がないなら、受付場所へ連絡して還付の可否と持ち物を相談する
まとめ
愛知県収入証紙は、販売が2028年9月30日、利用が2029年3月31日、未利用証紙の還付が2034年3月31日で区切られます。3つの日付が別々なので、自分に関係するのはどれかを分けて考えるのが早道です。
いま持っている証紙はすぐ無効にはなりません。急いで処分するより、消印や汚れの有無と、使う予定があるかどうかを先に確認しておきましょう。
還付は期限内なら無条件というわけではなく、取得後に使う見込みがなくなったなどの条件と、消印なし・汚損なしという状態が前提になります。貼ってしまった証紙は自分で剥がさず、そのまま受付場所へ持っていきます。
今後の支払方法はキャッシュレスの拡大と納付書による現金納付が示されていますが、手続きごとの切替日や使えるブランドはまだ公表されていません。実際に申請するときは、その手続きの案内ページで最新の納付方法を見ておくのが確実です。
出典
- 愛知県「愛知県収入証紙を廃止し、公金収納のデジタル化を推進します。」(2026年9月3日発表/2026年9月4日確認)
- 愛知県「愛知県収入証紙を廃止します」(PDF)(2026年9月3日/2026年9月4日確認)
- 愛知県「愛知県収入証紙の交換及び現金還付について」(2026年9月3日更新/2026年9月4日確認)
- 愛知県「愛知県収入証紙について」(2026年9月3日更新/2026年9月4日確認)
- 愛知県「愛知県収入証紙購入場所」(2026年8月24日更新/2026年9月4日確認)
- 愛知県「県窓口におけるキャッシュレス決済について」(2025年10月23日更新/2026年9月4日確認)
- 愛知県「県施設の窓口にキャッシュレス決済を導入します」(2024年12月20日発表/2026年9月4日確認)
- 愛知県警察「警察手数料キャッシュレス収納の開始について」(2026年9月4日確認)
- 愛知県「手数料【窓口申請】旅券(パスポート)のご案内」(2026年8月25日更新/2026年9月4日確認)
- 愛知県「クレジットカードによる手数料納付【電子申請】」(2026年8月25日更新/2026年9月4日確認)
- 愛知県「申告と納税の期限一覧」(2025年1月7日更新/2026年9月4日確認)

