短期滞在のネット回線はどう選ぶ?1か月・半年の総額と契約形態を比較

短期滞在のネット回線を1か月・半年の総額で比較する記事のイメージ サービス変更

1か月だけ、あるいは半年だけ。住む期間が決まっている部屋で、ネット回線をどう用意するかは悩みどころです。

比較サイトを見ると、まず目に入るのは月額料金です。ところが短期の場合、支払いが本当に終わるのは解約したあとです。端末代の残り、返送の送料、解約した月の満額請求。これらは月額表示には出てきません。

先に結論です。短期滞在では、月額の安さではなく終わるまでの総額と、終わったあと端末がどうなるかで決めます。端末は、返して終わるのか、代金の支払いが残るのかで負担が変わります。

まず、契約しないで済むかを確認します。契約しなければ、総額はゼロで、返す端末も買う端末もありません。国民生活センターには、アパートに無料のインターネット環境があったことを知らずに契約してしまった、という相談も届いています。

この記事は、光回線を引かない(引けない)短期滞在が対象です。光回線の工事待ちなら、開通までの一時回線を選びます。

短期のネット回線は、終わるまでの総額と端末で選ぶ

料金ページの月額と、実際に払う額はずれます。契約を始めるときの費用と、終わらせるときの費用が、月額とは別にかかるからです。

先に確認する順番

順番を間違えると、契約しなくてよかった回線を契約することになります。次の順で見ていきます。

  1. いま住む部屋の備え付けインターネットが、追加の契約なしで使えるか
  2. 契約中のスマートフォンでテザリングが使えて、必要な通信量をまかなえるか
  3. 有料の契約が必要なら、日数レンタル・月額レンタル・購入型の総額を比べる
  4. 使う住所で契約できるか、いつ届くか、いつまでに解約を申し出て、いつ返送するか
  5. 退去したあとに、支払いや返す物が残らないか

3つの契約形態を早見表で比べる

有料の契約は、大きく3つに分かれます。金額より先に、費用の形と「終わったあと」を見ます。

契約形態費用の形向く滞在期間滞在が終わったあと申し込む前に確かめること
日数を指定するレンタル1日あたりの料金+往復の送料終了日が決まっている1か月前後返送する使う住所がエリア内か。返却の期限と送料、申込時の在庫
月額のレンタル月額+契約事務手数料数か月から半年返送する使う住所がエリア内か。その住所を設置場所として登録できるか
端末を買うホームルーター月額+端末代滞在後も使い続ける予定がある返送はなし。端末は手元に残り、分割払いなら支払いも続く使う住所がエリア内か。その住所を設置場所として登録できるか。端末代と、まだ受け取っていない割引
短期滞在のネット回線を、物件の回線、テザリング、有料契約の順で選ぶ流れ

契約形態は、滞在期間、その住所で契約できるか、滞在後も端末を使うかで選びます。

有料契約の前に物件のネットとテザリングを確認する

契約しないで済むなら、それが一番安く終わります。

マンスリー・賃貸の備え付け回線で聞くこと

物件の広告に「Wi-Fiあり」「インターネット完備」と書いてあっても、それだけでは料金も手続きも分かりません。

備え付けのネット回線がある場合は、管理会社や契約書類で次の点を確認します。

短期滞在では、さらに次の4つも確認します。

  • 入居した当日から使えるのか、申込みやID登録が別に必要なのか
  • オンライン会議やVPNなど、仕事で使う通信に制限がないか
  • ルーターなどの貸与品があるか、退去時に返すのか
  • 自分で別の回線を引く場合、貸主の承諾が要るのか

答えを聞いて足りるようなら、この先の比較は不要です。

テザリングで足りるか確認する

手持ちのスマートフォンでテザリングが使えるなら、追加の契約なしで数日はしのげます。

ドコモの場合、テザリングは申込み不要で月額無料です。ただし一部のプランや機種では追加の契約や対応確認が必要で、通信量はスマートフォンの契約に含まれます。

上限に達すれば速度が落ち、追加のデータを買えば料金も増えます。契約している会社が違えば条件も違うので、自分のプランの案内で確かめます。

1か月・半年の総額を契約形態別に比較する

ここからは有料の契約を比べます。同じ日に始めて同じ日に終える形にそろえないと、1か月と半年のどちらが有利かは見えてきません。

総額に入れる費用

総額には、次の6つの費用を含めます。

  • 契約事務手数料などの初期費用
  • 利用を始めた月から終える月までの料金
  • 契約解除料
  • 端末代の実質負担、または解約時に残る未払い分
  • 返却の送料。返し忘れたときの費用
  • 加入が条件になっているオプション

代表3サービスの1か月・半年モデル

金額は当サイトが同じ条件でそろえた試算です。前提は次のとおりです。

  • 2026年10月1日に利用を開始する
  • 1か月は2026年10月31日まで、半年は2027年3月31日まで
  • 税込。任意のオプションは付けない
  • ユニバーサルサービス料などの少額の付加料、実際の返送料、端数の処理は含まない
  • キャンペーンやポイント還元は差し引かない
  • 3つとも申込みが成立した場合の金額とする。住所の登録可否や在庫は金額とは別に確認する
  • 購入型は端末を一括払いで買うものとし、1年以内の解約にかかる契約解除料1,100円を含める
代表例1か月(10月1日〜10月31日)半年(10月1日〜2027年3月31日)終わったあとの端末
NETAGE「WiMAX 5G ホームルーター L13」(日数レンタル)14,350円+宅配便の返送料81,545円+宅配便の返送料返送する
SoftBank Air Airターミナルレンタル(月額レンタル)約9,333円+付加料・返送料約40,188円+付加料・返送料翌月20日までに返送する
ドコモ home 5G HR02(購入型)79,640円+付加料98,355円+付加料手元に残る。分割払いなら支払いも続く

この3例では、1か月も半年も月額レンタルの総額がもっとも小さくなりました。日数レンタルは日数に比例して伸び、購入型は端末代がそのまま残ります。

ただし、この順番は金額だけの話です。月額レンタルと購入型は、使う住所を契約上の設置場所として登録できることが前提になります。登録できなければ、金額の順番に関係なく候補から外れます。

日数レンタルについては、公式ページでこの登録の条件を確認できていません。ただし提供エリアの確認は3つとも必要です。次の見出しから、形態ごとに見ていきます。

1か月なら日数レンタルは終了日を決めやすい

日数レンタルは、返す日を最初に決めて申し込む方式です。1か月で終わると分かっているなら、扱いやすい形といえます。

NETAGEのL13は1日1,200円、31日まで13,800円で、32日目からは1日445円が加算されます。貸出の送料は550円です。

利用が始まるのは端末が届いた日です。平日17時、土曜14時までの申込みで最短翌日に届き、東京・築地の店頭で受け取ることもできます。

注意したいのは、終わり方です。利用規約では、指定した終了日より早く返しても料金は減りません。

逆に返送が遅れると自動で延長され、遅延1か月ごとに利用料金1か月分の違約金が生じます。Wi-Fiルーターを壊した・なくした場合の弁償金は、補償サービスなしで40,000円です。

半年なら月額レンタルも候補になる

端末を買わずに借りる月額型には、おきらくホームWi-Fiなどがあります。半年ほどの滞在なら、日数レンタルより総額を抑えやすい選び方です。

ただし、この形には料金より先に見る条件があります。使う住所です。

SoftBank Airレンタルの料金と利用条件

ここでは、月額レンタルの代表例としてSoftBank Airを確認します。以下の料金や手続きは、SoftBank Airのものです。

住所の条件が通る場合の料金です。基本料5,368円と端末レンタル料539円で、合計5,907円。契約事務手数料は4,950円です。

さらに2026年12月の利用分から基本料が330円上がります。半年のモデルで12月以降を6,237円で計算しているのは、このためです。

初月と解約月の扱いは同じではありません。ここを取り違えると、想定より1か月分多く払うことになります。

  • 初月:契約が成立した日の翌日を1日目として、8日目から料金がかかります
  • 解約月:受け付けた月の月末に解約となり、日割りの請求はありません

つまり、月の途中で退去しても、その月は満額です。解約の電話は退去の月のうちに済ませます。

契約期間の設定と解除料は、Air 4G/5G共通プランにはありません。ただし個別の契約状況は My SoftBank と契約書面で確かめます。

返却にも期限があります。利用を停止した月の翌月20日までで、返送は元払いです。機器を返しただけでは解約になりません。解約の手続きと返却は別に進めます。

最後に、どの機種が届くかを確かめておきます。機種によって、返し忘れたときの違約金が変わるためです。

上の試算額は、機種が変わっても同じです。公式の料金表ではレンタル料が機種別に分かれておらず、539円の一本だからです。

返却ページの表では、Airターミナル4が13,000円、4 NEXTが16,000円、5が24,000円と分かれています。

ただし、この一覧に機種が並んでいても、そのすべてを借りられるわけではありません。料金ページには5G対応機種は現在レンタルの提供をしていないという案内があります。

どの機種が届くかは、公式ページの表示だけでは確定しません。住所の確認と同じ申込み窓口で、貸与される機種名もあわせて聞いておきます。窓口で確定しない場合は、申込み後に届く契約書面で機種名を確かめ、その機種の違約金を控えておきます。

購入型は契約期間なしでも端末代が残る

「契約期間なし」「解約金なし」と書かれていると、いつやめても損はしないように読めます。しかし、それは回線の契約の話です。端末を買う契約は別に残ります。

国民生活センターは、この点を“実質無料”のからくりとして説明しています。48か月や36か月の割引を続ければ端末代と同額になりますが、解約した時点で割引は終わり、分割で買っていれば本体代金の残債が請求されます。

ドコモのhome 5Gで数えると、こうなります。

  • 月額はhome 5Gプランで5,280円。契約事務手数料はオンラインショップなら無料、店舗などでは4,950円
  • 端末HR02のオンライン販売価格は73,260円
  • 月々サポートは購入した月の翌月を1か月目として最大48回。初回1,585円、2回目以降1,525円の割引で、総額が端末代と同じになるのは49か月続けたとき
  • 2025年7月1日以降に契約した回線を1年以内に解約すると、契約解除料1,100円

半年でやめると、割引は5回分の7,685円しか受け取れません。端末代73,260円のほとんどが自分の負担として残る計算です。

購入型ホームルーターを短期解約すると月々の割引が終わり、端末代の負担が残ることを示した図

月額料金は、初月と解約月で扱いが異なります。新規契約と同時の申込みなら申込月は日割りになりますが、同じ月のうちに解約すると日割りにはなりません。解約月の月額も日割りにはなりません。

home 5Gは使う住所の登録が必要

home 5Gも登録した設置場所以外では使えません。契約のときに、契約者の住所とは別に、ルーターを置く住所を申告します。

確かめることは2つあり、片方は自分で調べられます。使う予定の住所が提供エリアに入っているかは、サービスエリアマップで確認できます。

もう一方は、滞在先をルーターの設置場所として登録できるかどうかです。こちらは月額レンタルと同じで、公式ページだけでは判断できません。申込み窓口で個別に確認してください。エリアに入っていることと、その住所で登録できることは別の話です。

滞在が終わったあとも端末を使い続ける予定があるなら、購入型は選択肢に入ります。使う予定がないなら、短期では総額が上がりやすい形です。

「縛りなし」で見落としやすい5つの費用

ここまでに出てきた費用を、見落としやすい順に並べ直します。契約書面のどこを探すかも添えます。

  1. 契約解除料:短期解約に限った少額の解除料が別に決まっていることがあります。「契約解除料」「解約金」の項を見ます
  2. 端末代の未払い分:分割で買った端末は、解約しても支払いが続きます。「割賦」「分割支払金」「実質負担」の項です
  3. 解約した月の満額請求:初月が日割りでも、解約月は満額のことがあります。「日割り」の語が初月と解約月の両方にあるかを見ます
  4. 返送の送料:元払い、着払い、指定の配送方法で金額が変わります。「返却」「返送」の項です
  5. 返し忘れ・破損の費用:違約金や弁償金は端末の機種ごとに決まっています。「未返却」「弁償金」「違約金」の項です

契約期間の有無だけでは、短期に向いているかは決まりません。この5つを見てから判断します。

まとめ|申込前に開始日・解約日・返却日を決める

短期の契約は、申し込む前に終わり方まで決めておくと、あとで慌てずに済みます。カレンダーに入れる日を挙げます。

申込前

  • 使う住所がサービスの提供エリアに入っているか、公式のエリアマップで見る
  • 月額レンタルと購入型は、その住所を契約上の設置場所として登録できるか、申込み窓口へ聞く
  • 端末が届くまでの日数を見て、使い始めたい日に間に合うか確かめる
  • 初期費用、月額または日額、解除料、端末代、返送料を自分の日数で足す
  • 重要事項の説明と契約書面を受け取り、解約と返却の条件を読む

退去前

  • 解約を申し出る締切日を控えておく。月末締めなら、退去の月のうちに連絡する
  • 貸与品一式(本体、SIM、アダプター、ケーブル、箱)がそろっているか見る
  • 追跡の記録が残る方法で、期限までに返送する。伝票は保管する
  • 最終の請求明細で、解約月の料金、返送料、追加の費用を確かめる

出典

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